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2014/09/01〜07 タイILツアー報告 by 近藤

  AJU参加メンバー:近藤、寺嶋、小野澤、小出

【目的】
@タイ・韓国の障害者リーダーらと自立生活実践について意見交換をしたり、必要な支援体制が整わない為に自立生活が困難な当事者を訪問したりして、どんな障害を持っていても、また何処の国に生まれても「地域で当事者が自立生活をする権利」を獲得する為に、必要とされている自立生活センター(CIL)の役割について、もう一度原点に戻って考えてみる機会とする。
A自立生活実践の為に繋がっていく当事者同士の交流を通じて、これからの日本の運動についても考えてみる。

【主催・共催】
主催: DPI-AP(DPIアジア太平洋)
APNIL(アジア太平洋ILネットワーク)
共催: JIL(全国自立生活センター協議会)
    KIL(韓国自立生活センター総連合会)
    TCIL(タイ自立生活センター協議会)

9月1日 タイILツアーへ出発!

 名古屋からは4人で参加です。朝6時に名古屋駅に集合し、まずは新幹線で関西国際空港まで移動です。関西国際空港発のツアー参加メンバーと合流し、タイ航空の飛行機で出国です。6時間のフライトで無事スワンナプーム空港に到着しました。スワンナプーム空港の車椅子がデカ過ぎて笑えます。空港でTCILのスタッフが出迎えてくださり、日本からの東京・福岡組、さらに韓国チームと合流した後バンコク市内のホテルへ移動。車は日本でもお馴染みのハイエース。







ホテルへ到着・ウェルカムパーティー

 空港から1時間くらいでプリンスパレスホテルに到着。まず入口のスロープの角度には驚かされました(笑)。チェックインしたらすぐに、ホテルのホールでウェルカムパーティーが開かれ、各国の言葉で自己紹介や、視覚障害者による演奏などがあり、食事を楽しみながら最初の交流ができました。ウェルカムパーティーが早めに終わったので、夜ホテルの周りを散歩してみました。日本みたいにセブンイレブンがいっぱいあるんですけど、どこも大きな段差があります。スロープが全然無いので、電動車椅子で歩道を走っていると車道に降りれなくなったりするので基本的に車道を走りました。街の雰囲気は朝に向けて準備してる市場って感じでした。







2日目 ILセミナー

 2日目の午前中はホテルのホールで開会にあたっての挨拶。中西さんの挨拶(ビデオ)。タイのティラユットさん・韓国のファンさん・日本の斎藤さん挨拶。タイの制度や現状、ILセンターについて。障害をもって8年になるベンさんは、呼吸器をつけたまま退院した第1号。政府としても彼をモデルケースにしていきたい。タイの社会保障制度が十分ではないので、基本的に地域で生活するのは家族なしではありえないが、彼は家族もなく出てきて、CILの協力で生活しているそうです。昼食はホテル内のレストランで中華を食べました。







Asiatique The Riverfrontへ!

 午後はアジアティックザリバーフロントでショッピング。いろんなものが売ってました。ドリアンジュース飲んだり。ここでTシャツと短パンを購入しました。奥に行くと大きな川が流れていて景色も綺麗で気持ちいい!近くに日本人と日本語の書かれた車があったのでなにかなーって思ったら、元祖大食い王決定戦っていう番組の収録を行っていて、美人フードファイターの方とパシャリ。さらに、その近くに電動車椅子に乗ってる人がいてなんか見たことある人だなーっと思ったら…西宮の大久保さんでした(笑)なぜここに??どうやら安倍なつみの追っかけでバンコクまで来ていたみたいです。世間は狭いなと思った瞬間でした。後日大久保さんテレビにも映ってたみたいです(笑)ショッピング中には激しい通り雨もありました。タイは雨季なのです。







3日目 朝からパタヤへ

 3日目は朝から移動で、車で2時間くらいかかっただろうか、パタヤまで行きました。着くと民族衣装を着た子供たちがお出迎えしてくれました。建物の中にチョンブリCILの人たちがもたくさんいました。







チョンブリCILの人達と交流

 まずCILについて活動や歴史についてお話を聞き、子供たちが踊りを披露してくれ、センターオリジナルの帽子をプレゼントでくれました。みんなで記念撮影を行い食事をしながら交流会になりました。この日は外の気温が高く、エアコンのない場所では熱中症になりかける人が続出でした。







当事者宅へ訪問

 チョンブリCILに関わる女性当事者のお宅2軒に訪問し、貴重なお話を聞かせていただきました。車いす一台手に入れることが困難な地域で、CILがあることにより少しでも生活が改善されていくことが感じ取れました。2軒目に訪問したお宅では、話を聞いていた私たちが、自分の言いたいことを言っても良いのだよと伝えたことに、女性当事者が感動して涙を流していたことがとても印象的でした。夜はパタヤビーチの夕日が見えるフードコートで夕食をとりました(着いた時にはとっくに日が暮れていましたが)。







4日目 ノンタブリへ

 この日も朝から移動で、ノンタブリ県サイマ市の市役所まで行きました。この日も暑いです!







サイマ市役所

 サイマ市役所では、市長さんが自ら市の規模や障害者の数など話してくれました。続いてノンタブリCILの所長さんからCILの活動や歴史について話されました。話の最中になぜか僕の前にだけ「タイラーメン」を出されてビックリしました(笑)とりあえず食べてみたら…市長がニヤニヤしながらこっちを見ています。文化なのか、どうやら味見をさせられてたみたいです。気さくな市長さんでした(笑)







当事者宅訪問

 この日の午後は男性の当事者宅2軒に訪問しました。2軒目に訪問した、自分と同じ障害の男性が、家族と暮らせることに満足していて、今の自分が理想とする社会と目指している生活レベルが全く違うことに衝撃を受けました。しかし、日本も今のタイと同じ状況を乗り越えてきているのだと思うと人ごとだとは思えませんでしたし、日本の中でも地域格差が大きく、同じ状況、もしくはそれ以下の地域をどうするか?など見えていない悲惨な状況を変えることも考えなければいけないのだと改めて感じました。写真のTシャツの絵は彼が書いたものです。







急遽デモ行進

 一軒目の当事者宅訪問後、韓国の当事者リーダーから、街中を歩いて自分たちの存在をアピールしようと提案があり、街中を歩いて移動することになりました。タイの当事者達は体を張った運動をあまり行わないらしいので、タイの当事者に経験してもらういい機会でした。歩いてみると歩道はあまり無いし、あっても登る場所が無かったり降りれなかったりすることが当たり前の状況でした。当然街中もスロープが付いているお店は無く、車椅子で生活するには厳しい状況でした。だからこそやる意味も大きかったですし、どう不便なのかを当事者がみせないといけないということですね。タイのツアー主催者が危険だから止めようとするのを押し切って行動した韓国のリーダーはすごいと感じました。







AADP訪問

 4日目の夕方にAADP(AID TO ASIAN DISABLED PEOPLES)の倉庫と事務所に立ち寄りました。AADPでは車椅子のメンテナンス、アジアで車椅子を必要としている方へ車椅子を届けています。しかし、車椅子が必要、欲しいという人達はとてもたくさんいます。その中でも本当に必要な人へ、有効に活用してくれる人へ、車椅子一台手に入れることが大変な国では車椅子を渡す相手を選ぶことも大切ですし、それだけ慎重にならなければなりません。とても難しいことだと感じました。AADPのスタッフに今抱えている悩みや、現状を教えてもらいました。夜はタイすき(タイのすき焼き)をご馳走になり、さらにホテルまで送っていただきました。本当に感謝しています。写真のバイクはAADPのボス小倉さんのバイクです。







5日目 意見交換にて!?

5日目の午前中は再びホテルのホールで意見交換が行われました。
まず韓国からは、韓国もタイも同じ10年がたったが、タイのCILがきちんとこの10年の評価をおこなっているか。政府の監視をおこなっているか。ILは権利の侵害があってはいけない。ILの理念がきちんとつたえられているのか。確認しながら進められているのか。外国から伝わったILが本当にその国にあった形で浸透しているのか。自分たちの運動として実現できているか。
という意見を言われ。
 日本からは、タイが制度を政府と一緒につくっているのはいい活動だと思う。ただ現状はまだまだヘルパーが圧倒的に足りていない。街のバリアフリーもまだまだ。当事者の話もCILスタッフが代弁している。本当の声がきけたのか疑問。ILの理念を強く持った引っ張っていけるリーダーがタイには必要。リーダー同士のミーティングを重ねてもいいかも。もっともっと声を出していい。運動には強い気持ちが必要。
 という意見が言われたところでタイムアップとなり、意見交換の時間が終わりました。







延長戦&アクセスチェック

 午後は全員でアクセスチェックなのですが、午前中の意見交換でタイの参加者が日本と韓国に言われっぱなしの状態で終わったため不満の声があり、急遽意見交換の延長戦をホテルのレストランで行いました。韓国・日本・タイの代表者だけでの話し合いになりました。午前中の意見交換だけでは国の事情など細かい事まで話し合うことはできなかったし、まだまだお互いの事も理解出来ていない状態。これからまた定期的に集まって話し合うことが大切、仲間だし、言いたいことは言える、またいつか集まろうということで話はまとまりました。
 アクセスチェックに行ったみんなはバンコクの地下鉄(BTSとMRT)に乗りました。その様子をタイの国営放送局が取材に来ていました。







その日の夜

 話し合いも終わり、意見交換に残ったメンバーは余った時間でホテルから歩いていける観光地、カオサンロードに晩飯を食べに行きました。ホテルに帰るとみんながホテルの一室に集まって楽しくいろいろ話し合っていました。そこで意見交換延長戦の報告をしたり、真面目な話からどーでもいいよーな話までいろんなことをはなしていました。何時まで話していたかはわかりません(笑)







5日目 観光 エメラルド寺院

 慣れないチップ文化ですが、紙にサンキューと書いてコインを置いといたらしっかりなくなっていました(笑)さて、タイ滞在最終日はまるっと一日観光です!まず朝から車でエメラルド寺院へ。金色の建物が多くてキラキラしてました。一応ところどころスロープがあるのですが、車椅子のことを考えて作られたようでは…なさそうですかね(笑)







カオサンロード

 昼は川沿いのレストランで食事をしました!暑さに弱い参加者は川の景色を見ながら食事をする余裕なんてどこにもなく、エアコンの効いた室内で快適な食事を楽しみました(笑)食事を楽しんだ後はみんなでカオサンロードへ行きました。ここカオサンロードはバックパッカーの聖地と呼ばれているみたいです。いろんなお店が混在していて、みんなショッピングやタイ式マッサージなどを楽しみ、帰国直前最後の観光を満喫しました。







スワンナプーム空港にて

 さて、空港に着きタイILツアーもついに終わりです。別れを惜しみ再会を約束し、集合写真を撮りました。その後は帰る目的地ごとに分かれて航空会社にチェックイン。チェックインと同時に荷物と一緒に電動車椅子を預けて、本人は空港の車椅子に乗り換えてと言われたので、飛行機に乗り込む直前までは自分の車椅子を使用したいと交渉しました。普段から使用している車椅子は体に合うように作られているため快適ですが、体に合わない車椅子に乗ることは体力的にも苦痛なのです。長時間の交渉した末、全員飛行機の扉直前まで自分達の車椅子で行くことができました。やはりなんでも我慢せずに声を出していかないといけませんね。障害者の気持ちは私たち障害当事者が一番よくわかるし、現状維持では何も変わりませんから。
 その後はみなさん無事に帰国し、タイILツアーを終えることができました。滞在は5日間と短かったのですが、タイで感じたことや問題は、自分たちの周りで起こっている問題と同じであり、みんな同じ道を通ってきたのだから、国は違えど仲間であり、継続的に意見交換し助け合うことの大切さを実感できた旅でした。






小野澤報告

 9月初旬、タイ・韓国の障害者リーダーが集まり、自立生活が困難な当事者宅を訪問し、本人の思い、必要な支援体制について話を聞き、意見交換をした。どんな障害でも、どこの国でも「地域で自立生活をする権利」を獲得するために必要とされる自立生活センターの役割について、各国の当事者と関わることで、これからの日本の運動について考えることができた。特に、韓国の当事者たちは個人レベルでの社会への訴えが強く、とても刺激を受けた。
 課題として感じたのは、日本・韓国とタイとの間で障害者の自立というものへの考え方に大きな差があるということだ。当事者自身が前に出て、社会に変革を訴えると言う考え方が大では根付いていない。家族の介助を受けて生活している者がその現状を仕方のないことだと諦めて、介助者を遣う・働くなどの社会的役割を得た自立生活という意識を持ってない社会状況がある。その現状に異議を唱え、運動を起こす当事者の育成がまだタイでは不十分であると感じた。制度の大枠はできているが、先進国の制度を当てはめたような印象で、タイの当事者のニーズに合ったものとは思えない。電動車いすの普及など、まずは重度の障害者が社会との接点を持つための"あし"を作ることが大切だと思う。今回のツアーを通じて各国との情報交換の場がとても大切であると感じた。各国の状況やアジア全体の自立生活運動の現状、自国の課題などを知る機会の必要性を実感した。

by 小野澤<AJU自立の家 季刊誌より抜粋>

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