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カンボジアひとり旅。 by 佐藤

 読者のみなさん、こんにちは。佐藤 もとのり元紀、28歳。筋ジストロフィーの僕は、いつも簡易電動車いすであっちこっち走り回っています。障害者ヘルパーステーション・マイライフ刈谷で現在、活動中!
 今回、ずっと行きたかったカンボジア旅行が実現しました。2/2〜2/7の4泊5日で一人旅!ほんとに介助者なし、簡易電動車いすで航空券と宿だけ予約して旅立ちました。そんな行き当たりばったりな旅をご紹介します。



出発!!

 航空券とパスポートを握りしめてセントレア空港から飛行機に乗り込みました。不安を抱きながら、飛行機が旅立った瞬間に覚悟が決まりました。覚悟と言えば格好が良いけど、どうしようもない状況になると割り切れますね。
 元々、海外に興味があって大学のゼミ研修でベトナムに10日間、ピースボートで世界一周の船旅を経験してきました。ただ一つ、やったことがなかったのが一人旅!介助者どうしよ、車いすでも大丈夫かな、飛行機の乗り換え上手くいけるかな。頭で色々と考えてしまって、動き出すまでにかなり時間がかかったけど最終的には行きたいか、行きたくないか…行きたいでしょ!!
 ということで、アンコールワットが見たいという単純な理由からカンボジアへと1人旅立つことに決めました。

目指すはシェリムアップ!!

 カンボジアに入国するためのビザに顔写真が必要なのを知っていますか!? セントレア空港のスタッフが教えてくれて助かりました。一安心でいざ空の旅へ!セントレア空港〜ハノイ(ベトナム)〜シェリムアップ(カンボジア)の約8時間のフライト。つたない英語やジェスチャーを駆使して、乗り換えも移乗もスタッフが助けてくれたので問題なし。自分の車いすもシェリムアップ空港で無事に出会えました。しかし…頼んでおいた送迎が来ない!でも、今時は空港にWiFiがあるので連絡が取れるのです。そして、現地の乗り物トゥクトゥクに乗っけてもらい、車いすも積み、目的の宿に到着しました。
 さぁ、次は介助者を探さなければ!

出会い

 介助者がいないことにはトイレもお風呂も移動も何もできない。障害のある自分が旅をする上での最も大きな壁をどう乗り越えるか。
 アジアには日本人向けのゲストハウスが多くあるんです。バックパーカーや学生が多いはずなので、何の保証もないですが一か八かそこにすべてを賭けて行きました。すると幸運なことに若い日本人男性が2人いるじゃないですか!すぐに声をかけてみると、オーストラリアから始まり1年半ぐらい旅をしている19歳、任意団体の代表でカンボジアに学校をつくる活動をしている大学3年生、なぜかロシア人の旅人が1人。いきなり面白い人たちとの出会いがありました。“障害があるので滞在中の介助をお願いしたい”と素直に伝えると快く受け入れてもらえました。そして、夕飯をごちそうになりました。カンボジアはじめての食事はインスタントラーメンとふりかけご飯でした(笑)。その後、早速トイレやシャワー、着替えを手伝ってもらいました。
 スタッフもとても親切で、家族で経営しているのですがオーナーさんは日本語を話すことができました。宿泊する人には全員にPHSを渡してくれるので、何かあったらすぐに連絡することができるのは助かりましたね。
 次の日に朝起きて、電話で起こして欲しいと頼みました。オーナーさんが来ると思ったら息子さんが来ました。英語で指示するしかないじゃん!と驚きながらも、細かい介助の指示は英語で説明できなかったので“I want to get up and ride the wheel chair.”(体をお越して、車いすに乗りたい)とシンプルに伝えて何とか介助をしてもらえました。日本人の若者と現地の方の力を得られたことで、この旅は何とかなるなと安心と自信が得られました。

念願の地

 “アンコールワットに行きたい”という夢を叶える時が来た。テレビでしか見ていなかった、その場所を2日目にして足を踏み入れることになりました。ゲストハウスの人に日本語ガイドさんを調整してもらい、いざアンコールワットへ!
 アンコールワットが一番有名ですが、遺跡の中でも最も広いアンコールトムへ最初に行きました。巨大な寺院を目の前にカンボジアに本当に来ることができたんだなとジワジワと感じました。
 次に有名なガジュマルの樹がある場所へ行きました。“近くまでは行けないかもしれない”と言われたけど、ガイドさんとトゥクトゥクの運転手さんが話し合ってくれて“道を変えて行ける所まで行きましょう”と言ってくれました。
 大きなガジュマルの樹の近くまでたどり着くと“もっと奥へ行きたいですか?”とガイドさんが…驚きました!即答で“行きたい”と言うとガイドさんと運転手さんが介助者として一緒に遺跡の中を巡ることになりました。正直いって、通路は整備されてはいるもののバリアフリーなんて微塵も感じない場所です。すべて階段で通路が作られ、石畳になっている。観光客も多くて車いすで移動するのも至難の業…申し訳ないなという気持ちを抱きながらも自分の気持ちを優先して、何度も車いすを持ち上げてもらい観光客と同じように巡ることができました。
 最後に念願のアンコールワットの前に立ちました。テレビ越しだった姿が自分の目の前にある。めちゃくちゃ嬉しかったです。しばらくアンコールワットを見つめながら達成感に浸っていました。ここはさすがに体力的にも中に入るのは無理だろうと思っていましたが、再び頑張ってくれました。周りの観光客の手も借りながら、私でも一般の観光客と同じ場所にいる。本当にガイドさん、運転手さんには大感謝な1日でした。

一番の思い出

 アンコールワットへ行けたこともとっても良い経験でしたが、一番の思い出は現地の子どもたちと交流したことです。
 学校をつくる活動をしている大学生との話の中で、ちょうどリエンポンという村に新校舎を立てて2日目だという。タイミングが良いことに日本から仲間が来て現地へ行くというので“一緒に行きたい”とお願いして行くことになりました。
 団体メンバー3人と私はトゥクトゥクに1時間半ぐらい揺られながら学校に到着。電動車いすで登場した瞬間、村人や子どもたちが集まってきて興味津々で私を囲みました。電動車いすなんて初めて見たんでしょうね。移動するたびに付いてきてちょっと有名人気分を味わいました。
 昔の校舎もあって、木造でぼろぼろで狭かったけど…今はコンクリートで広い校舎での授業。新校舎ができる前は小学校3年生になると遠く離れた学校に変わっていたけど、今は小学校6年生まで通えるようになった。つまり、遊ぶ時間や宿題をやる時間が増える。何より授業に取り組む子どもたちの元気の良さが団体の活動の素晴らしさを証明していました。最初は子どもたちも恥ずかしそうだったけど、簡単なクメール語を使ったり、カメラや電動車いすを利用しながら次第に打ち解けてきました。車いすを何度も介助してくれる子や一生懸命クメール語で数字を教えてくれる子、言葉は分からなくてもとっても楽しい時間を過ごすことができました。

動けば変わる!!

 今回のカンボジア4泊5日の旅、人生の中で忘れられない経験になりました。一人旅を通して様々な人に出会いました。仕事をやめて一人で世界一周をしている女性、60歳を越えてから決心して学校を建てた女性、アジアで起業するために旅をしている人、カンボジアの大学院に通い、カンボジアが経済的に自立するために新たな仕組みを作っている人。全員に共通することは目的に向かって“動く”ことです。
 私もアンコールワットへ行きたい、自分に自信をつけたいという思いから動き出しました。そして、カンボジアに来たことで新しい出会いが生まれました。“動けば変わる”ことを実感した旅でした。たとえ障害があったとしても、自ら人の手を借りればやりたいことを実現できることを改めて実感した旅でもありました。今後も自分がやりたいことに向かって動いて行きます。

動けば変わる!!

















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